財務会計の総論

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会計行為
 会計行為は、認識、測定、記録、報告の行為に分けることができます。
 (1)認識行為
  企業の経済活動・事象のうち、どれが会計的に測定の対象となるかを識別する行為

 (2)測定行為
  会計的に認識された経済活動・事象に金額を割り当てる行為

 (3)記録行為
  認識された結果を会計帳簿にどう記帳するのかという行為

 (4)報告行為
  記録された結果を会計報告書にどのように表示・伝達するのかという行為


財務会計で求められる要件
 財務会計で求められる要件には次のようなものがあります。
(1)正確性(信頼性)
 正確な数字にもとづいて財務諸表が作成されること

(2)実在性
 資産は実在するものでなければならない

(3)網羅性
 負債は原則としてすべて財務諸表に表示されなければならない

(4)期間の帰属
 当期に発生した取引は当期の財務諸表に反映されなければならない

(5)測定可能性
 財務諸表に反映される取引は測定可能でなければならない

(6)検証可能性
  財務諸表で表示された金額は検証可能でなければならない

 上記の6つのポイントは会計士が監査をするときのポイント(監査要点)も意味します。また、内部統制などでいうアサーション(経営者の主張)と同じです。



会計と簿記

 会計処理を行うために、現在採用されているのが複式簿記です。複式簿記とは簡単に表現すれば、複数の項目で(複式)、帳簿記入(簿記)を行うものです。
 複式簿記を利用することで、例えば商品を売り上げたときに「商品を1000売り上げた」という表現から、「商品1000を売上て、対価として売掛金という請求権を得た」となります。
 つまり、複式祉簿記とは取引で最もよく使われる交換を渡す財貨と受け取る財貨の両面から表したものということができます。

 また、先の売上取引の例でいえば売上という損益計算書情報だけでなく、売掛金の計上という貸借対照表情報を記録することになります。

 そのため、経理担当者は売上取引によって売上高が1000増加したとともに、回収すべき売掛金が1000生じたと理解することができるわけです。


会計の基本的な論点
 (1)いつ認識するのか
  平たく言えばいつの伝票日付にするかということです。
  例えば3月31日に商品を出荷し、4月1日に得意先に着荷したときに3月31日あるいは4月1日のどちらの日に売上計上しますかという問題です。

 (2)いくらで貸借対照表に計上するのか
  資産を購入したときに仕訳記帳する金額は請求書の金額に決まっていますが、決算日に作成するその資産をいくらの金額で貸借対照表に計上すればいいかという問題です。
  具体的には期中に機械装置を10億円で購入しました。決算日ではその機械装置の時価は8億円です。また、その機械装置が今後儲けると予測した金額は12億円です。
  といったときに話の簡略化のために減価償却は考慮しないとするとその機械装置は10、8、12億円のいずれで貸借対照表計上すればいいかということです。


会計のポイント
 会計のポイントとしては次のようなことになると考えます。
(1) どのような取引を会計処理の対象とするのか
 ・お金が動かない取引でも記帳するのか(発生主義)
 ・将来の費用も当期で計上するのか(引当金、資産除去債務)
 ・有価証券を売却していないのに時価との差額を損益計上するのか

(2) 会計の処理対象とした取引をいつの時点で認識するか
 ・商品の売上は引渡時か、売上代金の受領時か(現金基準、実現主義)
 ・商品の販売は出荷した時点でいいのか
 ・土地の購入は契約時点か、代金支払い時か
 ・長期請負工事の売上高計上時点は

(3) 認識(会計処理)された支出取引をどのように資産と費用・損失に区分するか
・有形固定資産等の減価償却
・有形固定資産等の減損
・商品の評価損

 ※目に見えない資産価値の変化をどう費用等として計上するのかという問題です。

(4)資産・負債に計上された金額を貸借対照表にいくらで計上するか
 ・有形固定資産等は簿価で計上すればいいのか
 ・有価証券は簿価で計上してはいけないのか
 ・格付けが落ちた自社の社債は将来の支払額でいいのか
 ・回収が危うい取引先に対する売上債権の評価は

(5) 認識(会計処理)された取引は負債と資本のどちらに計上すればいいのか
 ・新株予約権は負債、資本どちらに計上すればいいのか
 ・少数株主持分は負債、資本どちらに計上すればいいのか


会計のポイント(具体的に)
 
会計のポイント、特に認識に絞っていいますと、当期の収入・支出と当期の収益・支出とのズレを考えるのが会計学の大きなポイントとなります。
  @当期の支出を当期の費用と、次期以降の費用とに区分する。当期の費用は損益計算書に、次期以降の費用は貸借対照表に計上する。
  A当期の収入を当期の収入と、次期以降の収入とに区分する。当期の収入は損益計算書に、次期以降の収入は貸借対照表に計上する。

   ※Aよりは@の方が適用場面は多いです。
   ※こうした考え方は損益計算書中心の考え方で、費用収益アプローチといわれるものです。

 (1)当期以前の支出を当期の費用と、次期以降の費用とに分ける
   @当期に購入した商品を売上原価(当期の費用)と、商品(次期以降の費用)とに分ける。
   売上原価は損益計算書に計上され、商品は貸借対照表に計上される。

  A有価証券1000を購入したが、期末時価は800なので、当期の費用(評価損)として200計上し、資産として有価証券800を貸借対照表に計上する。

  B機械装置1000を当期に購入し、減価償却費(当期の費用)200と機械装置(次期以降の費用)800とに分ける。
   減価償却費は損益計算書に計上され、機械装置は貸借対照表に計上される。

   ※当期の費用は損益計算書に、時期以降の費用は貸借対照表に計上します。

 (2)当期以前に支出は行われていないが、当期の費用とする。
  @退職金は在職中の労働の対価の後払いなので、当期分を今年の費用として計上する。貸借対照表には退職給付引当金として計上する。

  A6月に支払う賞与1200は昨年12月から今年5月までの労働に対するものなので、当期に属する4ヶ月分800は当期の費用として計上する。
     貸借対照表には賞与引当金として計上する。

  B当期に購入した建物の除去費用として100当期の費用(減価償却費)として計上する。

  C当期の法人税等を計上する。支払は5月となる。法人税等(当期の費用)を損益計算書計上し、未払法人税等(次期の支払額)を貸借対照表に計上する。

 (3)当期の収入を当期の収入と、次期以降の収入とに区分する
  @当期に受注代金として1000収受したが、このうち300を売上高(当期の収入)、700を預かり金等(次期以降の収入)とに計上する。

   ※基本は現金の収受と支出ですが、そこに「会計学の考え方」を取り入れて収益と支出に組み替えていくというのが会計学の中身です。

   ※ある取引の科目を左側(借方)に記入するのか、あるいは右側(貸方)に記録するのは簿記の世界の話で自動的に決まります。
  しかし、左側の中で資産・費用のいずれのグループ、同じように右側の中で負債・純資産・収益・のいずれのグループに記録すればいいのかは会計学の領域です。
  新たな会計基準が変われば変わってしまうことがあります。
  あるいは企業の会計処理の選択の仕方で変わります。